こんにちは!
かもしかです。
私はつい最近、Adobe社が出しているillustratorという編集ソフトを使い始めました。
私は今までWindowsのパソコンに元々入っているペイントぐらいしか使ったことがなかったので、illustratorのようなゴリゴリの編集ソフトは全くの未経験です。
そんな初心者がillustratorを使うにあたり、図書館で15冊ものillustrator指南書を借りてきました。
そのときに借りた本から、初心者用の本を5冊ピックアップして、比較していきたいと思います。
illustrator初心者で最初のスタートでつまづきたくない人にとって、自分に合った入門書を見つける参考になると思います。
Contents
タイプ分け
今回、比較する本は↓の5冊です。
ひとくちに入門書と言っても、それぞれの本によって中身の構成は多少違ってきます。
ひとくちに卵料理と言っても、目玉焼きやスクランブルエッグなど色々あるように、卵料理の中でも似たようなジャンル同士を比較しなければ、正確にその特徴を知ることができません。
そこで、まずはこの5冊の本を似たような構成をしているもので3つにタイプ分けしたいと思います。
3つのタイプとは
教科書タイプ
網羅性があり、図解や文字のバランスがとれた「The・スタンダード」なタイプ
図解重視タイプ
図解が大きく、見やすさにこだわった視認性が高いタイプ
実践タイプ
チラシなど実際の制作物を作りながら基本を学んでいく効率重視タイプ
5冊のうち同じタイプに分類される本同士を比較することで、よりその本の特徴を明らかにすることができます。
では、さっそく比較していきたいと思います。
教科書タイプ
網羅性があり、図解や文字のバランスがとれた「The・スタンダード」な教科書タイプはこの2つです。
他のサイトを見ても、初心者にオススメな本として紹介されていることが多い2冊です。
今回は左側(スマホでは上)の本を「しっかり入門」、右側の本を「操作とデザイン」と呼ぶことにします。
この2冊をどうやって比較していくかというと、
まずは、それぞれの本の目次を見てみましょう。
Illustratorしっかり入門増補改訂版 第2版 / 高野雅弘 / 2018 / SBクリエイティブ株式会社 4,5ページより引用
Illustrator操作とデザインの教科書CC/CS6対応版 / ピクセルハウス / 2017 / 技術評論社 8,9ページより引用
目次を見比べると、
しっかり入門は、一見、とっつきずらそうに感じられます。
操作とデザインは、色分けされ簡単な言葉が使われているので親しみやすい印象を受けます。
本の目的
それぞれの本が読んだ人にどういったことを知ってほしいのか、目次から探っていきます。
illustratorの基礎について書かれた部分は
しっかり入門では、レッスン1「illustratorの基礎知識」とレッスン2「はじめてのillustrator」で46ページ書かれています。
操作とデザインは、レッスン1「illustratorの基本」で26ページです。
しっかり入門は、デザインを描き始める前の基礎部分にボリュームをさいているのがわかります。
そこでは、デザインを描く前段階で役立つ「定規」や「ガイド」などの機能や、印刷機能について解説されています。
操作とデザインでは、基礎部分はそこそこにして、実際にデザインを描いてみるということに主眼を置いています。
もちろん「定規」や「印刷機能」についての記述はありますが、「定規」などは図形を編集するときの1つのツールとして紹介されています。
ここから言えることは、
それを裏付けるように、しっかり入門は「表やグラフを描く」などのillustratorで作成するのに適していない部分は2ページほどしか触れられていませんが、操作とデザインでは、20ページほど使って解説されています。
図解や文字のバランス
図解や文字のバランスはどうでしょうか。
「円を描く」の部分を比較してみます。
Illustratorしっかり入門増補改訂版 第2版 / 高野雅弘 / 2018 / SBクリエイティブ株式会社 48,49ページより引用
Illustrator操作とデザインの教科書CC/CS6対応版 / ピクセルハウス / 2017 / 技術評論社 32,33ページより引用
もともと、図解や文字のバランスがとれた教科書タイプなので、明確な違いはないですが、
2つを比較してみると、
しっかり入門は、文字が多め
操作とデザインは、図解が多め
だということがわかります。
私は、しっかり入門は文字が多くてかっちりした感じがしたので、図解が多めな操作とデザインを使って勉強をしていました。
ここは好みの問題だと思います。
解説の丁寧さ
illustrator初心者がつまづきやすいと言われる「ベジェ曲線」の部分で比較したいと思います。
ベジェ曲線について、
しっかり入門では、2ページで解説されています。
操作とデザインでは、5ページで解説されています。
どちらの本もベジェ曲線の機能ついて書かれている内容はほぼ同じです。
内容が同じなので、解説の丁寧さではよりページ数がさかれている操作とデザインが優れていると言えそうです。
またベジェ曲線の部分のレッスンデータを比べてみます。
レッスンデータは出版社のホームページからダウンロードできます。
しっかり入門のレッスンデータ
操作とデザインのレッスンデータ
しっかり入門は、ただこれから学ぶ内容が作図されているだけです。
操作とデザインは下書きになっていて、その上を番号順に操作していけば誰でも描けるようになっています。
レッスンデータの優劣は明らかで、操作とデザインは手取り足取り教えてくれる感じがあります。
同じベジェ曲線の部分でも、よりページ数をさいて下書きまで書いてくれれば途中でわからなくなって挫折することはまずないと思います。
ただ、解説が丁寧だから良い本なのかというと一概にそうとは言えません。
しっかり入門はベジェ曲線について2ページ分の解説なので丁寧とは言えませんが、
必要最小限で効率的という捉え方ができます。
私は、主に操作とデザインを使ってillustratorを勉強しましたが、丁寧すぎて、解説されなくても大体わかる部分があるので、読み飛ばすページも多かったです。
教科書タイプまとめ
この2冊の本をイメージで例えると
しっかり入門は父親のイメージ
操作とデザインは母親のイメージ
です。
父親のイメージとは、一見とっつきづらくて難しそうだけど、身になることを教えてくれている
母親のイメージとは、0から100まで教えてくれてわかりやすいけど、世話を焼きすぎて面倒くさい
完全に私の主観ですが、2つの本のイメージはこんな感じです。
どちらの本も、illustrator初心者が1冊目に買うのに適した本なので、ここに書いた特徴を参考にどちらが自分に合っているか検討してみてください。
図解重視タイプ
図解が大きく、見やすさにこだわった視認性が高い図解重視タイプはこの2つです。
この2冊は表紙がすごく似ていますよね。
ここでは、左側(スマホでは上)の本を「はじめての2017」・右側の本を「かんたんCC」
と呼ぶことにします。
さっそく比較していきたいと思います。
まず目次を見てみましょう
はじめてのIllustrator CC 2017 / 羽石 相 / 2017 / 秀和システム 4,5ページより引用
今すぐ使えるかんたんIllustrator CC / まきのゆみ / 2018 / 技術評論社 6,7ページより引用
目次を比べると、「はじめての2017」はちょっと見づらい感じがあります。
内容が短くまとまっていてわかりやすいのは「かんたんCC」です。
本の想定読者
「はじめての2017」はillustrator初心者だけでなく、パソコン初心者にも優しい内容になっています。
その証拠に、目次の次のページに「PCの基本操作を確認しよう」として、右クリックやダブルクリックなどを解説しています。
「かんたんCC」はillustrator初心者の中でも、パソコンの基本操作はできて、なるべく文字を読みたくない人に向いていると言えます。
図解や文字のバランス
基本的な図形を描く部分で比較したいと思います。
はじめてのIllustrator CC 2017 / 羽石 相 / 2017 / 秀和システム 68,69ページより引用
今すぐ使えるかんたんIllustrator CC / まきのゆみ / 2018 / 技術評論社 82,83ページより引用
図解重視タイプなので、どちらとも図解がメインなのは同じですが、
比較してみると
「はじめての2017」は文字が少なめ
「かんたんCC」は文字が多め
です。
解説されている機能は、
「はじめての2017」では、基本的な機能の解説はありますが、そこから1歩進んだ機能については、「裏技」としてまとめて紹介しています。
その点、「かんたんCC」の方が網羅性があり、一通りの機能は図解とともに解説されています。
「はじめての2017」は超初心者用と言えるので、あえて基本機能の解説に留めているのだと思います。
練習問題の有無
「はじめての2017」には練習問題がありません。
「かんたんCC」には練習問題があります。
機能の解説だけだと、覚えた気になってすぐに忘れてしまいますが、練習問題があると、実践で機能を使えるので定着率が上がります。
「かんたんCC」には、最後に総合演習として「ポストカードを作ろう」があります。
本当は各セクションごとに練習問題があるのが理想ですが、こういった問題があることで、これまで覚えた機能の復習ができるので、「かんたんCC」の方が優れていると言えます。
図解重視タイプまとめ
図解重視タイプは、見やすい・わかりやすいが大きな特徴です。
文字を読むのが嫌な人、サクサク覚えたい人にとっては適していると言えます。
「はじめての2017」は、0というよりマイナスからスタートして学習していく超初心者用
「かんたんCC」は、文字より図解を見て覚えたい感覚派用
と言えます。
実践タイプ
実践重視タイプは、こちらの1冊です。
この本は他の本とは全く違う特徴を持っています。
目次を見てみます。
これから始めるIllustratorの本[CC2017対応版] / ロクナナワークショップ / 2017 / 技術評論社 4,5ページより引用
目次を見ると、「ロゴをつくろう」など、制作物を作りながら機能を紹介する内容になっています。
「オブジェクトを描画する」「ペンツールを使う」など、illustratorの機能をジャンル分けして紹介するこれまでの本とはまったく違います。
今回は1冊しかないので、これまでに紹介した本と比較しながらメリット、デメリットを解説したいと思います。
メリット
メリットとしては
・効率が良い
・モチベーションの維持がしやすい
の2点があげられます。
・効率が良い
制作物の作り方と機能を同時に覚えることができます。
これまでの本では、機能の紹介が主で、覚えた機能をどうやって実際の制作物に活かすのかはあまり教えてくれません。
そのため一旦機能を覚えても、使わなければ忘れていってしまいます。
そもそも、どうしてillustratorを使えるようになりたいのかと言ったら、チラシや名刺を作成したいからだと思います。
この本のように、実際に名刺を作りながら、必要な機能を紹介していく方が効率的・最短ルートでillustratorを覚えることができます。
・モチベーションの維持がしやすい
手順に沿って動かしていくだけで、制作物を作ることができるのは、「もっと覚えたい」というモチベーションにも繋がります。
初心者のうちは、何か1つでつまずくと、それだけで挫折してしまうきっかけにもなります。
その点、図解多め、文字少なめなので、パッと見てわかりやすさがあります。
これから始めるIllustratorの本[CC2017対応版] / ロクナナワークショップ / 2017 / 技術評論社 26,27ページより引用
モチベーションを維持しながら、つまずかせないようなわかりやすさがあるのは、メリットだと言えます。
デメリット
デメリットは
・辞書として使えない
・網羅性がない
の2点です。
・辞書として使えない
入門書は、最初に全て読んだら用済みかというとそうではありません。
illustratorで制作物を使っていると、「この機能って何だっけ?」という疑問が必ず生まれます。
そんなときに、辞書のように必要な部分を拾い読みすることができると便利です。
しかし、この本は様々な制作物を作るときに必要な機能がまとめられているだけで、これまでの本のように目的別で体系的にまとめられているわけではありません。
そのため、辞書のように、わからない箇所を部分的に調べるという使い方をするときには、これまでの本のほうが、調べやすいかと思います。
・網羅性がない
実践タイプは効率重視なので、機能の解説はそこまで詳細ではありません。
やはりこれまでの本のほうが様々な機能を余すところなく教えてくれるので、網羅性はありました。
こういった点でも、辞書のように部分的に見返すような使い方は適していないと言えます。
実践タイプまとめ
この本を使うのに適した人は
とにかく早くillustratorを覚えたい人です。
実際の所、実践タイプ以外の本を読んでillustratorの機能を一通り覚えても、制作物を作るときに使うことがなければどんどん忘れていきます。
だとすると
足りない所は、後でネットで検索すれば補えます。
ただ、私は初心者のうちは、辞書のような本を持っておくべきかなと思います。
ネットの情報は探せばいくらでも出てきますが、情報が古かったり、体系的にまとめられているわけではありません。
かといって、教科書タイプのような本を最初から最後までやるのも効率が悪いので、効率重視の方は、まずこの本でillustratorを触ってみて、細かい部分は教科書タイプで補うような使い方が良いかなと思います。
まとめ
以上、長くなりましたが、入門書5冊を解説してきました。
5冊とも良い点、悪い点どちらもあります。
その中で、何を選ぶかは完全に好みの問題です。
初心者のうちは、ほんの小石でつまづいただけでも致命傷になりがちです。
まずは、1冊最後までやり切れる本を見つけてillustratorを使いこなしましょう。
こんな長い文章を読んでくれてありがとうございました。
ではでは!、
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